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まじめ

地域ブランドづくりを考えてみる。

地域ブランドの実状

どうもBIOS制作部の久保田です。
今回は、「地域ブランド」、「地方の独自ブランド化」に携わる機会があった中で、見えてくる実情やら自身の考え方やらをこの機会に偉そうにまとめてみることにしました。

私が「地域ブランド化」に触れて感じていること(自身が関わった範囲においてですが)…、それは『とてつもない中途半端感』です。
ロゴマークの作成・変更やパッケージのリニューアルといった、表面上のデザインや表現を変えただけの「中途半端ブランディング」、他地域の成功体験や流行りを中途半端に取り入れ、内輪で満足してしまう「やった感で満足しちゃうパターン」、地方を満足に理解していない中途半端な中央のコンサルティング会社・大手広告会社等を大先生のようにお迎えし、中途半端な予算とスケジュールのもと、具体的な結果も出ないまま、期限や予算終了と共になんとなく終了といった「地方ナメてますねパターン」などなど…。
表面上の違いや、形式上進んだというだけで、ブランディングができたつもりになってしまっている、中途半端ケースがほとんどではないのかと感じます。
売れる、人を動かす、目標達成に至ったものがどのぐらい存在するのでしょう?
…疑念しか残りません。

地域ブランド確立の難しさとその背景

結果が伴わない背景には、次のような理由が大きいのではないかと勝手に考えています。

【ブランド確立が難しい背景】
・似たデザイン、酷似商品が世の中に乱立しすぎ、絶賛増殖中
・デザインや見た目だけに偏ったものが増えすぎた
・流行り、見た目に流されたブランディングに留まってしまっている
・明確な目標・ゴール設定をした上でのブランディングが成されていない
・依頼者・従事者の知識・理解力不足
・予算不足などなど…

他にも様々な要因はあると思いますが、ブランディング従事者に問いたいです。
そのブランディングは結果を出していますか?その結果とは何をもって結果とするのでしょうか?ブランディングする前とう比較して何が変わっていますか? 売上の変化や顧客・ターゲットなど明確な変化は伴っていますか?見た目の変化ややった感で満足してしまっていませんか? さらに言うのであれば、 あなたが携わったブランディングとやらは、変わったと思うその見た目は、あなたの望む結果を具現化してくれているのでしょうか?

ブランドを作りたいと思う人達へも言いたいです。
クオリティ・サービス・体験等、商品の本質を高める必要があることに気づかせてあげれれている人がどれだけいるのでしょうか。「予算不足」「知識不足」「価値に対する理解不足」これらを解決していかないと難しいですね。  地域の人達よ、もっと地域の人達を信じろ!とも思います 。

仮に「郡山じゃがいも」なるものがあったとしましょう。

 その野菜はどこに対して売ろうと考えているんですか? 似たような商品は他にありませんか? 少なくとも日本において、それ以上の品質・知名度のじゃがいもは存在していませんか? 明確な特徴・違いはありますか?北海道のじゃがいもと比べてそれは美味しいですか? それらの競合と並んだ際に選ばれるだけの強みはあるんですか? それだけの価値はありますか? 採算は見込めているのでしょうか? ゴールはどこに設定しているのですか? ファンをお金を産業を雇用を生むことができるのでしょうか?流通させるための販路、方法、数字、期間的目標はありますか?そもそも「じゃがいも」でいいの?などなど…向き合わなければいけない事柄が山のように存在します。
しかし、これら全てのことに答えられることができて、「人が欲しいと思うもの」、「気づいてもらえる存在」になっていくのではないのでしょうか。

まとめると...

魅力 × 認知度 = 地域ブランド
まずはその商品に求められるに値するだけの商品価値・魅力はあるのでしょうか?
中途半端な魅力に固執していませんか?そこから考えましょう。
そもそも魅力の定義から考える必要があるのかもしれません。
日本一チャーハンに適したお米、リゾット米、日本一の大粒米、 冷凍食品に適したお米、味が落ちにくいお米などなど、少なくとも設定した商圏において、一番と自信を持って言えるだけの魅力でなければ魅力なんて言えませんよ。 その魅力が2番である時点で売れる確率、かかる予算、期間は天と地ほど変わってくるでしょうし、 現状のままでは1番になることはまず無理に等しい。 1番になれる(受け手が1番と認識する)魅力ある商品・サービスづくりからはじめないことには、 ブランディングなんて名ばかりの予算の無駄遣いです。
やるなら従事者みんなが全てを理解した上で、共通の明確な目標を達成することが大切だと一人で悶々と考えています。それは地域と長く付き合っていける、地域の者がやるべきであると。
そして、そんな人たちと仕事がしたいと勝手に思っています。

制作部 久保田健一

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